渡辺社長に聞いた「エクスモーションが社外コミュニティ活動を大事にしている理由」
エクスモーションの渡辺博之社長のプロフィールを見ると、すぐに目に留まるのは、幅広い社外ネットワークです。組込みシステム技術協会(JASA)理事、情報処理推進機構(IPA)ソフトウェアモダナイゼーション委員、ETロボコンの共同企画委員長。このあたりは、何となくイメージが湧くのですが、「仮説検証ブートキャンプ実行委員長」といわれると、その存在意義から話を聞きたくなります。
JASAでは理事のみならず、組込みIoTモデリングWG主査、ET事業本部長、ET展示会事業運営委員長も務めています。これほど多くのコミュニティに、なぜ参加しているのでしょうか。エクスモーションの認知度を高めたいのか?売上につながるのか?渡辺社長に直接聞いてみると、返ってきたのは思いのほかピュアな理由でした。
「ロジカルでフラットな組織が、好きなんでしょうね」
「エクスモーションの設立もコミュニティへの参加も、同じベクトルの上にあるんですよね」。すべての始まりは、学生時代の挫折と成功体験だったそうです。中学と高校で運動部に入ったものの、体育会系のカルチャーが肌に合わず、辞めてしまった渡辺社長は、負い目を感じながら大学に入りました。
「入学してすぐに、大学生協の理事会に参加しました。店舗をどうやってよくするか、組織をどうするかなどを考えて、改善していくのが理事会の役割です。利害関係のないところで、みんなが同じ方向をめざして意見を出し合い、ゴールを見つけていくプロセスが楽しかったんですね」
理事会の活動が忙しくてアルバイトができず、お金がもらえなくても苦にならなかったという渡辺社長。活動を通じて、ロジカルでフェアな組織が自分に合うと気づき、「世のなかには、そういう場が必要なんじゃないかと漠然と思っていた」と、当時を振り返っています。
大学を卒業してから、商社、ソフトウェアのベンチャー、SIerでキャリアを築いていくうちに、論理的に考えて物事を進めていく組織とカルチャーが重要という思いは、ますます強くなっていきました。
「あの頃の体験と発見が、今につながっています。エクスモーションでも、フェアな経営をしたいとよくいってます。業界団体やコミュニティも同じです。参加しているのは、ゴールに対してモチベーションがある人ばかりで、すべてフラットなんですよね。単純に、そういう場が好きなんだと思います」
コミュニティによって見えてくるものがある
「最近は、コミュニティ活動は社会人の壮大な部活であるといっています。会社経営が授業だとすると、コミュニティ活動は課外活動や部活です。両方やると、文武両道でバランスがいい(笑)。大変でしょうとよくいわれるけど、全然そんなことはないですね。部活に打ち込んでいるだけですから」
参加するコミュニティの基準があるわけではないといいながら、現在関わっている組織の大半は、新しいものを生み出す場です。「世の中にない価値を生み出すとか、業界がよくなるとか、人が育つとか、そういうことが好きなんでしょう」。売上や利益を求められる会社経営と、自由参加のコミュニティという違いはあるものの、ヴィジョンを描いて施策を進めていく際の視点やスタンスに垣根はありません。
エクスモーションは、さまざまな業界団体の活動に参加しているコンサルタントやエンジニアが多く、社外でネットワークを作ることを奨励しています。社員がコミュニティに参加する意義について聞くと、「強制はしたくない。自発的であることに意味がある」と前置きしつつ、こんな答えが返ってきました。
「何よりもまず、絶対鍛えられるから。いろいろな人と話す機会があり、自分の能力も試されるでしょう。個々の可能性を見出す場として、とてもいいと思います。本業に活かせることもあり、人間関係も視野の広さも変わってきます」
「エクスモーションの社長というだけでは、その範囲の視座しか得られないけれど、組み込みシステム技術協会で業界全体について考えたり、IPAで今後のIT産業について提言をまとめたりすると、確実に視座が大きくなります。全体を俯瞰したうえで、自社の事業を振り返ると、全然違うものが見えてきます」
ディスカッションが多いコミュニティでは、思考の瞬発力やアドリブ力、わかりやすくおもしろく話す力も磨かれるという渡辺社長。「公式戦は限られているから、その合間に草野球をバンバンやる感覚」という言葉を聞くと、部活という比喩を使う理由がわかるような気がします。
失敗を怖れずチャレンジでき、知見を高められる場
「自分が関わるからには、新しい価値を生み出したいというモチベーションで取り組むので、私が参加してから場の空気が変わったコミュニティもあります。社内政治や既得権などがないのも、コミュニティのいいところですね。いいアイデアはウェルカム、言い出しっぺが率先して動けばいい。ゼロから作り上げる場に、守るものはありません」
社長業が忙しいなかで、あちこちに顔を出していると時間が足りなくなりませんか?と問うと、「首がまわらなくなったことはない。何とかなります。それよりも、おもしろいことにコミットして大きなものを作れば楽しいし、仕事にも活かせます」。エクスモーションとJASA、IPAの取り組みに優先順位は付けておらず、「ITを活用して社会をよくしていくという目的でつながっている」といいます。
「EdgeTech+ 2024」の関連イベントとして開催される「仮説検証ブートキャンプ」にも、「今こそ仮説検証できる人材が必要」という渡辺社長の思いが込められています。IT関連の業界の未来を見据えると、現在はいい人材を育てるというテーマの重要度が高く、エクスモーションとしても次世代の経営層の育成に注力していきたいそうです。
「社外活動のなかで、経営者や業界全体を見ている人と話をしていると、確実に目線が高くなります。そこで得られた知見をもとに、事業の将来像や先々の施策を考えられれば、この方向で間違っていないという自信を持てるでしょう。経営に携わる人にとって、コミュニティは知見と自信を高められる貴重な場でもあります」
「受験勉強で失敗したら大変だけど、高校野球で甲子園に行けなくても、これからの人生に活かせる経験を得られたといえるでしょう。失敗を怖れずチャレンジできるコミュニティは、社会を変えられる可能がある壮大な部活です」
フラットでフェアな事業運営、年齢や役職を問わず活発な議論ができる場、新たなアイデアを歓迎する風土。渡辺社長にとって、大学生協の理事会、エクスモーション、社外コミュニティには共通の「大事にしたいこと」があるようです。
渡辺社長の言葉とエクスモーションのカルチャーに触れて、「日々の仕事や社外ネットワークを通じて、幅広い知見があるコンサルタントやエンジニアをめざせそう」と感じた方は、ぜひエクスモーションの採用サイトをご覧ください。