私たちはなぜお客様から高評価をいただけたのか?
2024年4月、エクスモーションの「社内ワークの日」にて、ある取り組みのお客様の評価が共有されました。組込みソフトウェア開発のコンサルティングを行っているエクスモーションは、お客様と密にコミュニケーションを取りながら進めていく長期的なプロジェクトが多いため、ともすると隣のチームが何をやっているのかがわからないまま、あっという間に時間が経ってしまいます。
そんななかで、社員同士の相互理解や情報共有、業務とは違うテーマの施策検討などを実施できる場として設けられたのが、月2回の「社内ワークの日」です。この日のプレゼンターは、エンジニアの佐伯栄亮さん。プロジェクトごとにお客様の評価が高かった取り組みを共有しようと設けられた場で、「一ノ瀬さんの資料って、わかりやすいよね」という評判のメカニズムを分析・解説しました。
お客様の組織のコミュニケーション手法を確立するツールを提供
コンサルタントの一ノ瀬直也さんと、佐伯さんは同じプロジェクトでともに働いています。一ノ瀬さん自身がお客様の評価ポイントを語るより、佐伯さんが外からの目線でフラットに話したほうが、参加メンバーの納得感が高いだろうということで選ばれたようです。
アジェンダは「どんな資料が評価されたのか」「なぜ評価されたのか」「資料はどのように使われているのか」。故障によって交通事故が引き起こされるリスクを機能の実装によって低減する「機能安全」のスペシャリストである一ノ瀬さんが作成した「ASILマップ」のサンプルを題材にして、話を進めていきます。
最大の評価ポイントは、「機能安全における合意形成を円滑にしてくれるツールであること」。機能安全の開発プロセスにおいて、自動車が本来実現したかった機能(意図機能)に対して、どこまで安全性を考慮すべきかという議論があります。
一ノ瀬さんの資料は、わかりやすい指標で「意図機能と安全性の関係」が数値とともに明示されており、関係者が直感的に「このラインまで安全性を高めたい」と話せるように工夫されています。
佐伯さんのプレゼンは、「わかりやすく、さまざまな検討の場で使えるから高評価」というシンプルな結論で終わっているのですが、参加メンバーとの質疑応答で2つめのポイントが挙げられました。「お客様の組織や課題に沿った形にカスタマイズされていること」。これによって、やりたいことが相反することもある「意図機能」「機能安全」という2つの部署のコミュニケーション手法を確立させることができたそうです。
3つめのポイントは、論理展開が明快であること。自社の技術者が理解しやすい指標と考え方でまとめられているだけでなく、「何をどうすれば、より安全性が高まるか」を検討する際にも議論を整理しやすいので、実際に開発したものが妥当かどうかを話し合うときも使われているといいます。
エクスモーションがお客様に評価していただける理由
今回、共有された取り組みと資料から、エクスモーションのコンサルティングサービスが大事にしていることや、コンサルタントの強みの一端を見ることができます。エクスモーションのコンサルタントは、組込みソフトウェア開発に関する技術やノウハウをトータルに押さえているだけでなく、それぞれ専門分野を持っています。
一ノ瀬さんが得意とする分野は、USDM、システム設計、機能安全。それぞれ自動車業界のお客様においては、コンサルティングのニーズが高い領域です。自動車業界のお客様から高い評価をいただけるのは、専門の領域における技術や組織作り、開発のノウハウに知見に対する信頼があるからです。
エクスモーションのコンサルティングの特徴は、口だけ出すサービスではなく、お客様とともに汗を流すこと。資料ひとつとっても、課題を抱えている開発組織とともに改善を進めていく姿勢が反映されています。
正しいだけの資料では、組織も人も動きません。大事なのは、「わかりやすいこと」「使いやすいこと」「課題の解決につながること」。誰もが同じように理解できる内容と伝え方、ミッションが異なる組織が連携しやすい視点や考え方であることなどを念頭に置いて、さまざまなアウトプットを提供しています。
「お客様に寄り添う」という言葉を掛け声に終わらせず、具体的な提案や日々のアクションで示していけるかが、プロジェクトの成否を決めるポイントであり、ひいてはサービスの評価につながっていきます。一ノ瀬さんが資料を介して推進したコミュニケーションの活性化は、「エクスモーションを評価していただける理由」に直結する事例といえるでしょう。
個々の社員の取り組みやノウハウを掘り下げる情報共有を実施
エクスモーションの「社内ワークの日」では、技術や業界のトレンドなどをテーマにした意見交換や施策検討だけでなく、ひとりのコンサルタントやエンジニアにフォーカスした成功事例やノウハウの共有も行われています。
エンジニアとして入社した後、コンサルタントにチャレンジして活躍する社員が目立つのは、お互いの仕事やノウハウに触れる機会があることに加え、自らの強みを作るべく、技術や知識を習得しようとするタイプが多いからでしょう。
言い換えれば、ハイレベルなソフトウェアエンジニアをめざす人も、専門分野を武器とするコンサルタントになりたい人も、自発的に学習しながら強みを築ける環境がある会社ということになります。エクスモーションの仕事や求人に興味がある方は、採用サイトをご確認ください。