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社員の交流と成長を促す「社内ワークの日」潜入ルポ

2024年3月某日。エクスモーションの大崎オフィスから、オンライン参加のメンバーをつないで「プロジェクト情報共有会」が開催されました。エクスモーションには、「社内ワーク」という制度があります。組織の垣根を越えて社員同士でプロジェクトを作り、先端技術の研究や新たなサービスの企画などを行う場です。

社員同士の交流と個々の成長を促す貴重な機会

なぜ、「社内ワーク」なのか?組込みソフトウェア開発のコンサルティング事業をメインとするエクスモーションは、長期のプロジェクトが多く、ともするとお客様の課題解決を推進するだけで1ヵ月が終わってしまいます。フルコミット自体は素晴らしいことですが、常に同じ課題に向き合っていると、視野が狭くなったりインプットが枯渇したりしがちです。

そこで始まったのが、社内ワーク。普段はコミュニケーションを取りにくい先輩や同僚と意見交換や情報共有を重ねることで、個々の成長を促しながら、社員同士の交流を深めるのが狙いです。「社内ワークの日」は月2回。クライアントワークが90%、社内ワークは10%という考え方です。

プロジェクトのテーマは自由。会社と自身が成長し、社会に貢献できるものであれば、何でもOKです。冒頭の情報共有会を実施していたのは、「Tech」というプロジェクト。2023年は、ここから生成AIを活用した新たなサービス「CoBrain」が立ち上がりました。

そんな話を聞くと、「社内ワークの日」で何が行われているのかが気になってきます。今回は、エクスモーションのコンサルタントやエンジニアが集う場に潜入し、実際のディスカッションを体感してみました。

最初のテーマは「アジャイル開発にまつわる神話と迷信」

この日のアジェンダは2つ。「アジャイルへの迷信や誤解を取り払え!」という刺激的なプレゼンと、コンサルティングサービスに対する顧客満足度調査の共有です。

「アジャイル開発」について話し始めたのは、「CoBrain」の開発のプロジェクトオーナーである内田圭さん。生成AIを用いて、組込みソフトウェア開発の要求仕様の作成やレビューを支援する画期的なサービスも、アジャイル開発でスピーディーなリリースを実現しています。

内田さんがアジャイル開発を手がけたのは、自社サービスが初めてではありません。2021年から参加したお客様のプロジェクトでも、アジャイル開発を導入しています。

「アジャイルには、多くの人が信じている神話や迷信がかなりあるんです」という話から始まったプレゼンは、「アジャイルは効率的か」「無計画・無秩序か」「ドキュメント不要か」「透明性はないのか?」「いいものを作れるのか」と興味深い問いを提示し、それぞれに内田さんの見解がまとめられています。

ひと通り話が終わると、ディスカッションがスタート。「それぞれの頭のなかにあるアジャイルは、同じものなのだろうか?」「いいアジャイルって、何だろう」「ウォーターフォールのような基本形がない」。さまざまな声が挙がるなかで、「お客様のアジャイル導入に、どんな関わり方ができるのか」といったリアルな意見交換もありました。

業務に携わっているときとは違う角度のフラットな見方や、本音が飛び出すのも「社内ワークの日」ならでは。「みんながアジャイルについて、こんなに興味があるとわかったのが収穫」「アジャイル開発の経験がある人を集めて、討論会をやったらおもしろそう」といった話が出たところで、このテーマは次回以降も継続的に考えることになりました。

お客様の声をプロジェクトの改善に活かす情報共有

次のプレゼンは、「2023年度アンケートふりかえり分析」。コンサルティングサービスの成果に対するお客様の評価を分析し、今後のプロジェクトに活かしていく取り組みの情報共有です。

アンケートの設問と意図、調査に用いたロイヤリティマーケティングの概要、NPS(Net Promoter Score)ではなくNRS(Net Repeater Score)という指標を採用した理由などを解説し、エクスモーションの全体的な評価を共有したところでお開きとなりました。

全体のランキングを知りたかったメンバーは、時間切れと聞いてがっかりしていますが、詳細は次回のお楽しみです。「これは、会社全体の会議でしっかり話したほうがいい」という声があり、共有の仕方については検討となっています。

社員の思いを結集させ、イノベーションを起こす場

社内ワークは、「コレをやりたい」と同じ興味を持つメンバーで集まっても、「あの人とやってみたい」という理由でもOK。専門的な見方やマーケット全体の動向を知るために、大学の教授や他社の技術者など、外部からゲストを招くのも自由です。

今回潜入した「プロジェクト情報共有会」のアイスブレーキングは、「Tech」に参加しているメンバーが新婚旅行中という話でした。「彼がお客様のプロジェクトで活躍してくれたから、『CoBrain』のプロジェクトをスムーズに進められた」。社内ワークの日がきっかけで始まった新サービス開発は、普段の仕事とは違うネットワークが実を結んだ貴重な体験だったようです。

日々の業務だけに没頭することなく、視野を広げてイノベーションを起こしたい。社内ワークには、一人ひとりの社員のアイデアと活力こそが、エクスモーションを成長させる原動力なのだという思いが込められています。笑いが絶えないディスカッションが印象的な潜入体験でした。