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社内騒然、賛否両論!エクスモーションの採用サイトはこうして生まれた!

そのサイトを立ち上げると、近未来都市の前に立ちはだかるヒーローがひとり。彼は、いきなり問いかけてきます。「問題を俯瞰できますか?」。突然のひとことに困惑しつつ、「YES」のボタンしかないのを確認すると、あなたにできることは2つしかありません。

「私は、問題を俯瞰できる人間であるはずだ」と自らに言い聞かせ、ボタンを押すか。
「問題を俯瞰…それは、難しい」と諦めてその場から去るか。

「YES」と返すと、瓦礫の山を目にして嘆き悲しむ人々の前にヒーローが降り立ち、「eXmotion」と書かれた旗を天にかざします。「現場に、旗を立てる」。彼の名がエクスモーションマンであることは、「エクスモーションガイドブック」までチェックすればわかります。

「全体を俯瞰し、答えまで導く旗を立てる。それが、エクスモーションのコンサルタントです」

メッセージが目に入った瞬間、それまでの一連の出来事にエクスモーションの思いが込められていたことに気づきます。社内騒然、賛否両論。この破天荒な採用サイトを作ったのは、どんな人物なのか。常務取締役の芳村美紀さんに聞いてみると、「あれは私と渡辺社長で作ったんです」という意外な答えが返ってきました。

エクスモーションはどんな会社なのかを伝え、提案されたひとつの案で決定

「採用のブランディングまで考えたいと思って、外部パートナーをアサインしました。私たちは、エクスモーションとして実現したいことを伝えただけです。どんな会社なのか、何をやりたいのか。何の引っかかりもないサイトは作りたくない。大企業と同じことをやってもしょうがない。思いを共有し、やり取りを重ねて、出てきたアイデアがヒーローでした」

採用サイトを作ろうという話になったのは、東証マザーズ市場に株式上場する直前の2017年。新卒・中途ともに、積極的に採用を推進していくための第一歩は、エクスモーションを知ってもらうことと考えたそうです。

プロジェクトに参加したパートナーは全員が美大卒で、ブランディングだけでなく、ビジュアル設計も強みとしている会社でした。多くのエンジニアにエクスモーションを理解してもらうためには、目の前にいるクリエイティブの専門家たちにわかってもらわなければなりません。当初のミーティングは、エクスモーションについて語る時間が大半だったといいます。

「困っている開発現場を助けたいという話が、ヒーローというモチーフにつながったんだと思います。思い切ったアイデアですが、私たちのことは充分伝えたので、自信をもって提案してくれたのではないでしょうか。出てきたのはこの案のみ。即決しました」

ある日突然、エクスモーションマン参上!

「エクスモーションは民主的な会社なので、採用サイトの制作については、決めてすぐに情報共有を始めました」。制作の進捗やTOPページのイメージなどを、全体会議や月2回の「社内ワークの日」に発信していたのですが、パワーポイントのスライドからおぼろげに見えるヒーローの姿を気に留めなかった社員もいたでしょう。

社員が意見を求められたのは、2017年3月24日。「キャラクター案」のスライドに、6体のエクスモーションマンが並んでいます。「このなかで、一番いいと思ったものに投票してください」。全体の40%の支持を集めたのが、現在のエクスモーションマンです。

「私たちが大事にしているのは、社員が意見をいえる場を必ず作ること。どんなことにも、自分なりの見解がある社員ばかりなので、それぞれの気持ちを汲んでいきたいという思いがあります。エクスモーションマン自体に賛否両論あったのですが(笑)、社員全員、採用サイトの制作には協力的でしたね」

社員の意見が最も反映されているコンテンツは、「エクスモーションの社風」と「求める人物像」です。常日頃から「社風に共感できる人じゃないと、続かない会社だよね」といった声があり、社員へのアンケートと生の声を活かした構成にしようと決めました。

「まあまあ挑戦的」
「活気があったり、落ち着いていたり」
「かなり民主的」
「トップダウンもありボトムアップもある」
「かなり実力主義」
「かなり頭脳系」
「かなり個人重視」

「エクスモーションのいいところも足りないところも、包み隠さず知ってほしかったので、社員の言葉はそのまま出しています」という芳村さん。サイトを訪問した時、いきなり現れる「問題を俯瞰できますか?」という問いにも、イエスといえるような人に来てほしいという思いが込められています。

サイト公開から6年を経た今も、「何でも教えてという人や、指示待ちの人は合わない」という社風は変わっていません。

パンフレットも動画も遊び心満載、インパクト重視

「とにかく印象に残るサイト、1回の訪問で覚えてもらえるサイトにしたかった」。採用サイトとともに作ったパンフレットと動画も、インパクトとディテールにこだわっています。

「ソフトウェアの力で、世の中を変えたいと思っている皆さんへ」というメッセージで始まるパンフレットには、「大解剖エクスモーションマン」と題したページがあり、「抽象化して物事を捉えるロジカルな頭脳」「製品開発や開発現場の課題をいち早く発見する俯瞰EYE」「言葉の裏に隠された真意まで聞き取ることができる聴力」といったトーンで、お客様を救うヒーローの能力が紹介されています。

「コンサルタントやエンジニアに求められる力を、遊び心をもって伝えたかったんです。『座り仕事が多いため腰に爆弾を抱えている』は、エグゼクティブコンサルタントのKさんいじりですね。入社したら、すぐに誰かわかります」

劇画調のイラストやアメコミテイストが盛り込まれた動画は、サイト制作を始めた時から重要なツールと考えており、当然インパクト重視。採用サイトが立ち上がってから入社したメンバーに聞くと、「サイトも動画も頭に残った」「こんなことまでやれる会社があるんだ、と思った」などの声が挙がります。

とはいえ、当初は社内騒然、賛否両論。今でも「エクスモーションマン…アレでよかったのか?」というつぶやきが聞こえてくることもあるそうです。それでも、多くの社員が「初めて見た時のことを覚えている」と声を揃えるサイトは、目的を達成したといえるでしょう。

「eXmotion」の赤いフラッグと強い意志が感じられるヒーローがあまりにも目立つので、エクスモーションマンの話に終始してしまいました。採用サイトにはエクスモーションのビジョンや渡辺社長のメッセージ、社員の仕事ぶり、コンサルタントとエンジニアのキャリアステップなど、リアルな情報が満載です。

興味がある方には、ぜひご覧いただきたいのですが、その前にひとつだけ、お聞きしたいことがあります。
「問題を俯瞰できますか?」