見出し画像

社員対談:クライアントの困りごとを見抜き、本当に解決できる方法を形にする

前職から数えてエンジニア歴25年目の橋本さんと12年めの千葉さん。プロジェクトの現場で重要な役割を果たしている2人が、「エンジニア」としての視点から、コンサルティンクグプロジェクトに携わる面白さや苦労談を語り合いました。

シニアエンジニア 橋本 秀史さん

新卒でソフトウェア開発会社に入社し、複合機のテストや開発補助経験を経て2010年にエクスモーションに転職。入社後は、システムの全体像を設計し、共有するドキュメント作成をメインに従事する。

シニアエンジニア 千葉 僚さん

以前は車関係のソフトウェアメーカーに5年間従事し、ソフトウェア開発の傍ら中間管理職の仕事にも携わる。エクスモーション入社後は、主にシステム要求仕様書の作成を担当しつつ、さまざまな分野に挑戦。エンジニアとしての知識を広げつつ、大局観を備えたコンサルタントをめざす。

車のようで車でない?建設機械の要求仕様書に必要なこととは

――お二人は今、同じクライアントのプロジェクトを担当されているそうですね。

橋本 はい。建設機械メーカーさんの案件で、私は、ある製品についてエクスモーションが提案している新しい開発プロセス(システムズエンジニアリング)を適用し、開発現場に浸透させていく仕事を2つ、並行して進めています。1つは、クライアントが自分たちで要求仕様書などのドキュメントを作っていけるよう、お手本を作る仕事。もう1つは、私自身でドキュメントを作成する仕事です。

千葉 私も、別の製品の担当としてその2つめと同じ仕事をしています。

橋本 私の今までの担当案件は自動車メーカーさんのプロジェクトが多く、建設機械を扱うのは初めて。仕事の内容も違いますが、そもそも対象製品が違うので、今まで知らなかったことを知ることができるのが楽しいですね。

千葉 『建設機械=働く“車”』と思っていたら、案外車とは違うんですよね!たとえば建設機械は、走るだけでなくモノを動かすなどの動力が必要で、1つのエンジンの力を両方に分けないといけない。そうなってくると同じエンジン周りの開発でも考えるべきことが違ってきます。

橋本 油圧でモノを動かす仕組みなども建設機械ならではの学びですよね。

製品の全体像が分かる仕事に、エクスモーションで初めて携わった

――要求仕様書を作るとはどのような仕事なのでしょうか?

千葉 ハードウェアを動かすにはシステムが必要ですが、最近はそのシステムを「クライアントが動かしやすい」ように考えることが求められるようになってきています。現状の開発プロセスは何か理由があってそういう仕様になっているはずなのですが、結論だけが残って理由がわからなくなってしまっている場合がほとんど。そうしたことについて、現状のプロセスを整理したり、新しく考え直したりして「こうしたいからこの仕様になっています」と形に残したものが要求仕様書というわけです。

橋本 この仕事の面白さは、製品の全体像が分かることですね。

千葉 比較すると、いわゆるソフトウェア開発は、限られた部分だけを作って全体には踏み込まないことが多い。私も前職ではそうでした。

橋本 私もです。それと比較すると、今の仕事は製品開発の全体に影響を与える仕事といえますね。

メーカー勤務の時代の自分も心から「ありがたい」と感じる仕事

千葉 ところで、私の担当している仕事は、実際の開発と同時進行でプロセスを書類に落とし込んでいくため、決まってないことが多くて進めづらいのが悩みなんですけど、橋本さんはどうですか?「お手本づくり」だとすでにプロセスは決まっているから、そういう悩みはないんでしょうか。

橋本 確かに「お手本」のほうはもうプロセスが決まっているのでそういう悩みはないですね。ただ、一つひとつのパートについては仕様が決まっていても、パートごとに使われている表現が違ったりするので、全体としてつなぎ合わせる際には、関連しそうなところを見極め、本来の狙いを紐解きながらつなぎ合わせければならない、という大変さはあります。また2つのうち1つは千葉さんと同様、現在進行形なので、苦労は同じですよ!

千葉 クライアントから必要な情報がなかなか下りてこなくて、進めるに進められないこともありますよね!

橋本 この仕事は「既存のやり方を改善する活動」だけに、クライアント側の担当者も本来の業務と兼任の場合が多く、時間を割いていただきにくいという事情も分かるんですよね。そんな中で千葉さんは何か工夫されてますか?

千葉 コミュニケーションのやり方ですかね。「新しい情報をください」とお願いしても難しいので、すでにある資料を例に「こういうものはないですか?」と尋ねてみるなど、できるかぎり先方の手間にならないようにしています。

橋本 先方の日常を想像することが大事なんですよね。あとは、クライアント側で実際に手を動かす方に納得していただくこと。プロセスが変わると仕様書も変わるわけで、クライアント内部でも新たに作らなければならないものが出てくるので、その役割を担っている人がやりやすいように、ということも考える必要がありますね。

千葉 エンジニアの仕事って、クライアントがどう困っているのかを把握して、それを改善する方法を形にすることなんですよね。エクスモーションに転職してくる前はメーカーにいて、コンサルを受ける側になったことがあるんですけど、せっかくいいことを言ってくれても、それを日々の業務にどう落とし込めばよいのかわからない、ということがよくありました。

だから今、クライアントを見ていて「そうですよね、困りますよね」という気持ちになれるんです。エクスモーションの仕事は、そういうクライアントの困りごとを解決する方法を考え、クライアントの代わりに作るところまでをやる。「前職時代の自分が喜ぶモノができたなあ」と感じられる瞬間が喜びですね!

自動車以外にも!内視鏡に電動リール……組込みソフトの世界は広い

千葉 私は車が好きなで、基本的には自動車関係のプロジェクトを希望してきたのですが、他にも、業界もシステム規模も全く違うさまざまなプロジェクトを経験してきました。たとえば内視鏡のシステム要件を作る仕事や、電動リールの要求仕様書を作る仕事とか……

橋本 電動リールは想像がつかないな!システム規模はかなり小さそうだけどどんな感じなんですか?

千葉 確かに自動車と比べると小規模ですが、たとえば魚群探知機情報システムと連動させてリール上にそれを映すなど、意外と規模は大きいんですよ!

橋本 へえ!知りませんでした。

千葉 とはいえ、仕様書を作るに当たっても気にするポイントが全く違うなど、知見が広がりました。ちなみに内視鏡は、映し出される映像が六角形のメーカーと円形のメーカーがあるんですよ。今では医療ドラマを見ていてメーカーがわかるようになりました(笑)。

橋本 確かに、製品への親近感は湧きますよね。私も、街なかで建設機械を見かけると、どこのメーカーか気にするようになりました(笑)。私達の扱っているのは基本的には組込みソフトであり、リアルなモノとつながっているので目にする機会も多いんですよね。

千葉 逆に橋本さんは1つの案件を比較的長く担当されているそうですが、どんなことをされてるんですか?

橋本 たとえばある自動車メーカーさんの仕事では、エンジン制御のシステム開発の一部とテストまでしています。1つの車種が終わったら、また違う車種で同じことを実施する、一般的な意味での開発の仕事ですね。

千葉 そういうプロジェクトもあるんですね。そういえば私も、現在担当しているもう一つの案件には長い期間携わっていて、シミュレーターから車両情報を受け取ってアプリに流す環境を構築するためにひたすらプログラムを組んでいます。

千葉 要求仕様書を作るのと開発とは全く違う仕事ですが、どちらも楽しいんですよね。並行して担当していると、片方が煮詰まったとき、片方が気分転換にもなる。

橋本 片方が進まなくて気になっていても、もう1つの案件の作業をしている間は気にしていられないともいいますが!(笑)

多様な業界、企業を経験し、エンジニアとしても成長中

千葉 複数のクライアントを経験することが、自分の成長につながっているのも感じます。たとえば、「要求仕様書にどこまで書いておけばよいか」といったことはクライアントによって違いますが、そういうことを「嗅ぎ取る」力や、「お客どこへ向かいたいのか」をつかむ力が得られると感じています。

橋本 エクスモーションはコンサル業であり、さまざまな企業のやり方を知っているとクライアントも分かっているので、「よその会社はどうしているか」という情報提供も期待されます。そうした期待に可能な範囲で応えていくためにも、さまざまな経験が必要だと思いますね。

エンジニアとしては、そうやってお客様に喜ばれると嬉しいものですが、もう一つ、「自分が満足行くものが作れた」という手応えが得られるのが嬉しい。エクスモーションの仕事は「質を上げていく」喜びがあるんです。

千葉 エンジニアの多くはそうだと思います。自分が納得のいく仕事で、クライアントのプロジェクトがうまくいくと本当に嬉しい。「うまく行った」という結果を聞く機会はなかなかないのが残念なところですが!

――何も言われていないということはうまく行っているということなのではないでしょうか!今日はいろいろお聞かせいただき、ありがとうございました。

インタビュー/文 Ms.K-Exm

株式会社エクスモーションでは一緒に働く仲間を募集しています