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社員インタビュー:始まりは社員同士のディスカッション。生成AIを導入した新たなサービスをリリース

2023年11月に開催された「EdgeTech+ AWARD 2023」で、エクスモーションがリリースした「CoBrain(コブレイン)」が生成AI優秀賞を受賞しました。

組込みソフトウェア開発の要求仕様の作成、チェック、レビューを支援する「CoBrain」の評価ポイントは、着眼点とスピード。業務効率化を推進するサービスが多い生成AI関連のなかで、要求仕様にフォーカスしたことと、ChatGPTなどが浸透し始めてからわずか半年というリリースのタイミングが受賞の決め手となったようです。

開発を担当したのは、3年前にエクスモーションに入社した内田さんです。組込みソフトウェアのエンジニアとして活躍していた内田さんは、なぜエクスモーションを選んだのか。業界を驚嘆させるスピード開発は、どのようなプロセスで実現したのか。これまでの仕事と今回の取り組みについて、話を聞きました。

コンサルタント 内田 圭

SIerから大手自動車メーカー系のサプライヤーに転職し、自動車のECUのソフト開発を手がけた後、2020年にエクスモーションに入社。自動車メーカーのコンサルティングに携わりながら、USDMによる要求定義のトレーニングの講師も務めている。

新サービスを立ち上げたきっかけ~生成AIを使って、何かを作ってみたかった

「生成AI、来てるよね。われわれも、何かやってみようか」という声が挙がったのは、ChatGPTが話題になり始めた3月でした。エクスモーションには、月に2回の「社内ワークの日」という場があって、メンバーが集まってさまざまなテーマについて研究や技術開発を行っています。

私が参加しているのは、「Tech」というプロジェクト。新しい技術に関する情報を持ち寄り、リサーチして評価したり、何かを作ってみたりするチームです。当初は、社内にチャットボットを導入しよう、いろんな使い道を考えてみようといった軽い話でした。

4月に始めたのは、地味な技術調査です。6月までに社内で使うチャットボットを作るという目標を置いて、ChatGPTでできることや懸念事項などの洗い出しをしました。生成AIで何ができるのかを試すなかで、システムのユースケースをしっかり書いてくるとわかったことや、「ChatGPTに要件定義書を作らせてみた」といった記事に触れたことが、後の「CoBrain」の開発につながっています。

「CoBrain」を提案~目標まで6ヵ月。できる・できないではなく、どれだけ高いクオリティで出せるか

リサーチを終えた5月に、渡辺社長に「お客様向けのサービスを作りたい」という話をしました。社内向けのチャットボットを開発していくなかで、AIに「いい・悪い」をフィードバックしてもらう仕組みや、機密情報の取り扱いなどについて、ノウハウを蓄積していたんです。サービス化するなら、日本語で仕様を書くUSDMが生成AIとの相性がいいと考えていました。

渡辺社長は、「生成AIは、Windowsやスマートフォンが世に出たときのような変化を起こすと思う。早くやらないといけないね」と、賛同してくれました。Slackで何かを投げかけると、応答してくれる社内向けのチャットボットが完成したのは6月で、その後すぐに「CoBrain」の開発に着手しました。

社長とは、11月の「EdgeTech+」で出展しようという話をしました。時間はなかったのですが、できなかったらどうしようとは思わなかったですね。コンサルタントとして、お客様のアジャイル開発を進めていたこともあり、締め切りからの逆算ではなく、「11月にどれだけ高いクオリティで出せるか」を考えていました。

サービス開発がスタート~注力したのはお客様のニーズ把握とチームビルディング

注力したのは、開発に携わるスタッフのアサインと、お客様のニーズを把握することです。エクスモーションで、USDMによる要求定義のトレーニングの講師も担当しているのですが、基本的なことは教えられるものの、実践的な力をつけるとなると、トレーニングというスタイルには限界があります。

仕様書を作成しているとき、わからないことが出てきたら、その場で解決してくれるようなソリューションが必要と感じていました。とはいえ、サービスを利用するのはお客様です。ソフトウェア開発人材を育成する企業の方々が、現場の悩みを解決できるものにしたかったので、プロトタイプを見ていただいて「仕様書の添削がいいのか、作成代行がいいのか」など、意見をお聞きしました。ヒアリングを経て、当初の仕様は結構変わりましたね。

開発メンバーは10人ぐらいです。半分は、「Tech」のメンバーで、月に2回しか活動できません。フルタイムで関わってくれたメンバーの条件は、「専門的な技術と知見があって、自走できる人」。エクスモーションから独立した元社員、フリーランス、外国人の技術者など、まさにダイバーシティです。私の最も重要な役割はチームビルディングで、彼らをアサインできたとき、大半の仕事を終えた感覚でした。

エクスモーションの魅力~技術に対するリスペクトがあり、いいプランならすべてをまかせてくれる

「EdgeTech+」の生成AIコーナーをのぞいてみたら、新サービスをリリースしている企業はほとんどなかったので、このタイミングでお客様に利用していただけるものを出せてよかったなと思いました。このスピード感とクオリティは、エクスモーションじゃなければ実現できなかったでしょうね。

エクスモーションの最大の魅力は、プロジェクトの責任者を決めたら、すべてをまかせてくれる会社であること。信頼できるスタッフにこだわり、意見交換や交渉を重ねてベストのチームを作れたからこそ、8月から3ヵ月というプロジェクトを成功させられたのだと思います。

そしてもうひとつの魅力は、技術に対するリスペクトがあり、いいプランをしっかり支援してくれるところです。背中を押してくれた渡辺社長、ディスカッションや開発に携わってくれた「Tech」のメンバー、バックアップしてくれた社員の方々には感謝しかありません。

エクスモーションを選んだ理由~これまでの経験を活かして、新たなチャレンジをしたかった

前職の大手自動車メーカー系のサプライヤーは、安定感はあったのですが、新しいサービスを立ち上げられるような環境ではありませんでした。エクスモーションに転職しようと思ったのは、これまで経験してきたエンタープレイズ系と組込み系のソフトウェア開発、システム企画、トレーニングの講師、アジャイル開発などの知見を活かして価値を生み出せる会社だとわかったからです。

巨大なメーカーは、技術力はあるものの、チャレンジ精神よりは事業の持続性や着実な成長を重視する傾向があります。そんな環境で10年を過ごし、新しいことを手がけたいと思うようになったとき、エクスモーションと出会いました。「お客様の近くで仕事をしたい」と面接で話したのですが、やりたいことをすべて実現させてもらえており、不満はありません。

今回リリースした「CoBrain」は、生成AIのバージョンアップやインプットする技術情報の充実化によって、進化していくサービスです。例えば、既存の仕様書を入れると、製品やサービスの内容をAIが解釈して、それぞれの特性に応じたレビューを行えるようになれば喜んでいただけるのではないでしょうか。お客様にとって、より価値の高いサービスにするべく、これからもクオリティを高めていこうと考えています。

--- ライター/Mr.Exm --

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